20代前半、転職した時の初めてのお給料で、包丁を買おう!と決めていました。
購入したのは、研ぎ器もついた3点セット。確か、当時は2万円弱だったと思います。
立派なバッグに入っていた記憶がありますが、箱はそう経たずに捨ててしまったような……。
使い道がないものは、いらないと判断してしまう私。
もう少し思い出として取っておけばよかったのかな?とも思いますが、どうせしまい込んでいただろうし(笑)。
情緒がちょっと足りない私です。
20代で買った2本の包丁と、主婦として過ごした年月
この包丁を購入してから、今年で49歳。
その後、包丁を買い足すこともなく、ずっとこの2本で主婦街道を走ってきました。
ちなみに、包丁を買った当時、付き合っていたのが今の夫です。
新しい包丁を手にして、ウキウキしながら料理をしていたことを思い出します。
あの頃は、まさかこんなに長いお付き合いになるとは思っていませんでした。
今となっては、私の人生を支えてくれたと言っても過言ではないかもしれません。
家族のご飯から、20人以上のご飯まで
娘が幼稚園の頃から、時々、実家のご飯も作るようになりました。
娘が高校生の頃には、家族のご飯として8人分を作っていた時期もあります。
それとは別に、実家の5〜6人分のご飯も、ほぼ毎日作っていました。
さらに、兄弟家族が実家に帰省した時には、20人以上分のご飯を作ることも。
こう書くと、私はいったい何人分のご飯を作っていたんでしょうね(笑)。
でも、20人以上のご飯作りは、苦ではありませんでした。
兄弟家族が帰省して、みんなが集まれることがうれしかったんです。
せっかく集まるんだから、おいしいものを食べさせてあげたい。
普段はあまり食べないけれど、特別すぎず、日常でも食べるようなものって何だろう?
そんなことを考えながら、ひたすらキッチンに立ち続けていました。
年に1度あるかないかのことだったので、楽しみだったんですよね。
みんなが集まるのがうれしくて、アドレナリンが出続けていたんだと思います(笑)。
気がつけば、1日中キッチンにいる。
それでも、楽しみながら作っていました。
毎日のご飯作りは、なかなか大変でした
一方で、正直に言うと、大変だったのは普段の実家のご飯作りでした。
家族のご飯とは別に、ほぼ男性ばかりの5〜6人分。
一人1人前では足りないので、実際には何人前作っていたんだろう?という量です。
当時は仕事も別にしていたので、休みの日は大量の買い出しから始まり、購入した食品の下処理。
そして、仕事をしながら、毎日食事を届けていました。
娘にも夫にも、ずいぶん負担をかけてしまったと思います。
休みの日に娘と思い立って出かけても、夕方までに帰れそうになければ諦めることもありました。
家族みんなで出かけるなら、帰宅時間もだいたい一緒なので心配ありません。
でも、私と娘だけで出かけるとなると、そうはいきません。
どこへ行こうが、何をしようが、夕食を届ける時間は決まっています。
遠くまで出かけられないことも、たびたびありました。
前もって準備するなら、前日に2回分の食事を作る。
実家の6人分を2回分、つまり12人分。それに自分の家族の分も加わります。
それとも、決まった時間までに帰宅して作るか。
選択肢は、この2つ。
娘と出かけようと思ったものの、朝から渋滞していて「これ、夕方までに帰ってこられないんじゃない?」と、諦めて帰宅したこともあります。
まだ出かけてもいないのに、渋滞で予定変更。
今思えば、なかなか切ない話です(笑)。
6人分の食事を作るだけでも時間がかかります。
買い出しや下処理、調理、届ける時間まで考えると、自分の時間がどんどん削られていく。
しかも、食材費だけでなく、光熱費も往復の交通費も、すべて自分持ちでした。
仕事をしながら毎日の食事を作り、届ける。休みの日も時間を気にしながら過ごす。
今振り返ると、なかなか大変な生活だったなと思います。
20代で買った包丁が、今もキッチンにある
話が少しそれましたが(笑)。
こうして振り返ると、この2本の包丁で、本当にたくさんのご飯を作ってきたんだなと思います。
家族のご飯も、実家のご飯も、みんなが集まった時のご飯も。
楽しい思い出もあれば、大変だった思い出もある。
その全部に、この包丁がありました。
包丁って、良いものを買えば本当に一生ものですよね。
もちろん、使い方やお手入れにもよると思いますが、私の場合は、20代で買った包丁が49歳になった今も現役です。
大切に飾っていたわけでも、特別な思い入れを持って扱ってきたわけでもありません。
毎日の料理に使っていたら、いつの間にか、こんなに長いお付き合いになっていました。
50歳を前に、これまでの暮らしを少しずつ振り返っています。
長く使ってきたもの。気がつけば、ずっとそばにあったもの。
この包丁も、そのひとつです。
20代の頃には想像もしなかったほど、たくさんの料理を作ってきました。
まだ買い替える予定はありません。
これからも、毎日のご飯作りを支えてもらおうと思います。

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