以前、絶縁状を送りつけられたことがあります。

送り主は兄弟の一人。

しかも、私だけではなく、他の兄弟にも同じようなものが送られていました。

その兄弟は昔から気性が激しく、思い込みが強く、攻撃的なところがありました。

私は四十数年、尊敬しながらも距離感を考え、折り合いをつけながら付き合ってきました。

その兄弟は実家で暮らしています。

私は親の介護や実家への経済的援助のため、娘が幼稚園の頃から大学生になるまで、ほぼ毎日のように実家へ通い続けました。

自分で言うのも何ですが、他の兄弟からも信頼されていたと思います。

だからこそ、その兄弟の攻撃の矛先が私に向いた時、他の兄弟も驚いていました。

「まさか、あなたにまで向くとは思わなかった」

そう言われたほどです。

きっかけは、実家のお金の使い方についての一言でした。

資産も年金も、その他の収入も、その兄弟が管理しています。

自由に使うことを否定したかったわけではありません。

遊ぶなと言いたかったわけでもありません。

ただ、

「このままでは将来的に足りなくなるかもしれない。少し考えてほしい」

そう伝えただけでした。

ところが、それが気に入らなかったのでしょう。

その後、連日のように脅迫まがいのLINEが送られてきました。

そして最後に届いたのが、弁護士名を語った絶縁状でした。

送り主は弁護士事務所の名前。

しかし住所は実家。

無料相談の弁護士に見せると、

「これは弁護士からの文書ではありません」

と言われました。

内容を見ても、弁護士が作成するようなものではないとのこと。

結局、それは法的拘束力のない、ただの絶縁状でした。

内容は簡単に言えば、

「実家に近づくな」

「俺のものだ」

そんな主張でした。


最近になり、父が病気になりました。

命に関わるものではありません。

けれど、父も80代後半。

いつ何があってもおかしくない年齢です。

そして私は、ある問題に直面しています。

もし父が亡くなったら、私は葬儀に行くべきなのか。

絶縁状には、

「葬儀は実家で行う」

「来たら警察を呼ぶ」

とも書かれていました。

警察を呼ばれること自体は怖くありません。

呼ぶ権利があるわけでもないですし、何か悪いことをするわけでもありません。

ただ、親の葬儀で騒ぎになること。

罵倒されること。

その後も嫌がらせが続くかもしれないこと。

そう考えると、正直な気持ちは一つです。

行きたくない。

もう疲れてしまったのです。


私はできる限りのことをしてきました。

介護もした。

援助もした。

話も聞いた。

支えてきた。

けれど、その結果が絶縁状と脅迫でした。

だからもう、近寄りたくない。

それが本音です。


ただ、一つだけ引っかかることがあります。

娘のことです。

小さい頃から祖父母に可愛がられてきた娘。

もし祖父母との最後のお別れの機会があった時、それを失わせてしまっていいのだろうか。

もちろん事情を話せば理解してくれると思います。

でも、理解することと納得することは違います。

心の整理がつくかどうかも別の話です。


そして、もう一つ考えることがあります。

縁って、本当に紙一枚で切れるのでしょうか。

私はそうは思いません。

絶縁状なんて、正直どうでもいい。

親はまだ生きている。

兄弟もいる。

親戚もいる。

相続だってある。

人生のどこかで、また交わる可能性はゼロではありません。

だから私は、縁は切れたとは思っていません。

ただ、その兄弟は切ったつもりなのでしょう。

だからこそ今、一人で抱える現実や孤独に苦しんでいるようにも見えます。

母は言いました。

「かわいそうな子だから」

そうかもしれません。

本当にそうかもしれない。

でも私は思うのです。

かわいそうだとしても、私にはもう何もできない。


今の私が悩んでいるのは、葬儀に出るか出ないかではありません。

後悔しない選択は何だろう。

その一点です。

親との最後のお別れ。

自分の心の平穏。

娘の気持ち。

そして残りの人生。

その全てを前にして、私は今も答えを探しています。

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